想像力は知識よりも、もっと大切である

●日本の初等、中等教育では、明治以来どうも知識重視の教育がまかり通っていて、創造(想像)力をおろそかにしているが、アインシュタインはこんな教育の欠陥を見通している。

 

●企業社会では、知識よりも創造力(想像力)を重視しなければならないことはいうまでもない。だが、われわれはいまだに知識に
すぐれた人物を大事にしたがる。それが悪いというのではなく、もっと想像力を大事にすべきなのである。

 

●二十世紀にアインシュタインが果たした役割は大きいが、なかでも彼の相対性理論によって、原子力エネルギーの時代に入ったというその現実は忘れてはならない。

 

●電気、石油と並んで原子力がエネルギー源として利用される時代だ。簡単にいえば、石炭・石油のような燃焼によるエネルギーでなく、質量そのものをエネルギーに転換して利用するのが原子力の時代だ。これは太陽や星のエネルギーと同じで、その力は従来のエネルギー源とは比較にならぬほど大きい。

 

●難しいことだが、アインシュタインの相対性理論をごく短くまとめてみよう。

 

●「アインシュタインは、空間は三次元ではなくて、時間を加えた四次元のものであると主張する。空間が静止しているときと運動状態とでは、物体の長さ、時間、質量は変化し、運動の速度が光速に達すると長さと時間はゼロになり、質量は無限大になるとした。
 また質量とエネルギーは、たがいに入れ替わることができ、わずかの質量でもエネルギーにかわれば莫大なものになることを理論づけた。
 こうした相対性理論は、日常世界では認識できないが、天文学や理論物理学ではこの力学法則が支配しているのだとする」

 

●以上の説明で理解できたら不思議なくらいだが、なんとなくスケールの大きい話であることは感じとれるし、原子爆弾はこの質
量とエネルギーの転換を利用しているのだ。これも想像が生んだ産物である。