時間こそは、最もユニークで乏しい資源。これを有効に管理しなければほかのどんなものも管理されない

●「時は金なり」という。現代経営学の大家ピーター・ドラッカーは、時間を金より貴重な「最もユニークでしかも乏しい資源」とし
て時間に新しい付加価値を与えた。

 

●時間を資源とみなせば、その使い方、利用のしかたはおのずと意識的にならざるをえない。資源は計画的、生産的に用いてこそ、はじめて生かされる。そのためには、有効に管理することが必要だ。

 

●管理するためには、計画を立てなければならない。ドラッカーは、「計画のために費やされた時間は最も生産的である」ともいっている。

 

●よい計画には、時間の効率化に対する配慮がある。計画をうまく立てられる人は、時間という資源のムダをなくす「省資源」の達人である。一時期、省資源ということが盛んにいわれ、一般にも節電、節水という観念が普及した。今度は省タイムである。

 

●省タイムを考えるとき、節電、節水を参考にすると、やり方のヒントをつかみやすい。どちらも、まずムダ使いを見つけ、それをなくすことから始まる。計画的に使い、漏れをチェックしていく。

 

●時間の場合も同様である。効率的に時間を生かせる計画をたて、漏れたわずかな時間を拾って活用していくのである。

 

●国産ロケットを開発したことで有名な組織工学研究所長の糸川英夫は、漏れたわずかな時間、まとまりのない中途半端な時間を、徹底的に活用した。

 

●「駅で電車を待つほんのわずかな時間など、たいていの人びとが何気なく捨ててしまっている時間がある。それを、一度ためしに拾い集め、つなぎ合わせてごらんになるとよい。きっと、何時間という驚くほど長い時間が、毎日、惜し気もなく捨て去られていたことに気がつくはずだ」

 

●絶対にムダにしない、という固い決意から、時間活用への挑戦が始まる。

 

●ドラッカーは、「時間を有効に管理しなければ、ほかのどんなものも管理されない」という。うまく時間を管理して、自分が目標とするところへ、効率的に到達できるようにしたい。